実践の現場から

現在は、4歳〜8歳用のプログラムが利用でき(目下、3年生用を翻訳中)、保育園・幼稚園では、年中クラスから上が対象となります。今のところ、保育園・幼稚園で採用するところが多く、小学校で少ないのは、導入するのに授業時間数等の難関があるからのようです。

こどもに、実際、どのような変化がみられますか?

4歳と5歳で、28レッスンを2回受けた子どもたちの変化は、劇的なものではありませんが、日常生活の中で、何気なく出てきます。最も目に付く変化は、自分の感情を素直に言葉に表わすことでしょう。「今、うれしい気持ち!」、また「ぼくは、悲しい気持ちだった」。同時に相手の気持ちも敏感に意識するようになっています。つまり、相手を、肯定的に受け止めようとする素地ができてきております。

例1:

「なぜ、校長先生は笑わないんでしょう。先生は、私の胸に名札があるのに、なぜ(名前を)おぼえてくれないんでしょう」

これは、小学校1年生の女の子が母親に語った言葉です。

例2:

「ぼくは、自分の気持ちをわかってもらえるように、言うことに気をつけているんだ。友だちの気持ちもわかるように、よく聞くことにしている」
「あの子がなぜ暴れるのか、ぼくはわかるので、先生に説明してあげることができる」

これは、新入生の男の子が母親に打ち明けた、何か切ない気持ちの表現です。

保育園の集団の中では、トラブルが起きた時に、レッスンで教わったソーシャルスキルを、うまく使って問題解決にこぎつけることが多くなっております。例えば、AくんがBちゃんに勢いよくぶつかって、Bちゃんが怒ったとき、「Aくんは、わざとぶつかったんじゃないよ、うっかりだよ」と、そばにいたこどもが、Bちゃんに「セカンドステップ」のキーワードで伝えています。もちろん、Aくんも「わざとじゃなかった。うっかりだった。ごめんね」と素直に謝っています。

保育園の年長クラスの、ある女児は、食堂を経営しているお父さんが、調理中に指を切ったとき、「落ちついて、ゆっくり考えよう」と言いました。これは、レッスンに出てくるキーワードですが、以来、お父さんは、仕事を始めるとき、「落ちついて、ゆっくりはじめよう」と唱えるようにしているそうです。
つまり、子どもたちは、レッスンで習ったキーワードを、日常生活の中で自然体で使っております。気持ちと行動について、意識を高め、相手を認め、人間関係をスムーズにする割合を高めております。
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